美しい映画を観た。 二人の人間がいて、互いにどうしようもなく惹かれ合う。ただそれだけなのに、いや、ただそれだけだからこの映画はこんなにも美しいのだろう。いつか自分もこんな映画を撮りたいな、と心底思った。
石川慶(映画監督(『ある男』))
「ホモはセックスのバケモノだから気持ち悪い、見るのも嫌だ」と話す全ての荒井さんたちにも観てほしい。この愛おしい生きものたちの真実を、あなたは知ろうともしなかったのだ。
北丸雄二(ジャーナリスト/作家)
浩輔の抱いていた閉塞感やトラウマも、龍太が抱えきれなかった多くの責任も、自分自身の人生と重なり目が潤む場面がたくさんありました。それは多くのあらゆるマイノリティの人にとってもそうだと思います。過去を強く生きてきたから今があると、今この瞬間を慈しむきっかけになる映画に出会えたことに感謝します。
小泉智貴(ドレスデザイナー)
困窮した大切な人を「救いたい」と思ったことがある。 あのとき自分の中に、見返りを求める傲慢さはどれほどあったのか。 答えを探して、この作品に自身を投影し続けていました。
カツセマサヒコ(小説家)
ちょっとした仕草や視線を含め、主演のみなさんの全ての動きがあまりにもうますぎて、すばらしいドキュメンタリーを観ているようでした。ラストシーンはあの1つ前でも後でも絶対違う。完璧な終わり方でした。
吉本ばなな(小説家)
人に与えるもので自分も満たされる。 これは人間にとって大切な気持ち。 この映画を観て、噛み砕いて、心で感じたら 自分の一部が大きく成長した。
LiLiCo(映画コメンテーター)
愛とは、愛するとは、いったんなんなのか──。人生のすべてを懸けてでも辿りつけないような深遠なる命題に、『エゴイスト』は果敢に手を伸ばそうとする。わたしたちはその手が伸ばされた先になにがあるか、凝視しなければならない。
児玉美月(映画執筆家)
浩輔の前に現れたピュアな美青年、龍太は人間ではなく天使だったのかもしれません。辛いけど美しい人生で鍛えられた人だけが、天使に導かれ、肉親の縁を超えた魂の家族に出会うことができるのです……。
辛酸なめ子(漫画家/コラムニスト)
悪でも間違いでも善でも正解でもなく• • • 3人の気持ちに激しく共感し、泣けて泣けてしょうがなかった。 確かなことは、エゴなのかと苦悩しようが、その愛は美しかった
東ちづる(俳優/一般社団法人Get in touch代表)
龍太と浩輔に生き方を教えて貰いました。 タイトルの意味と繋がった瞬間、心の奥がズキズキしました。 観る人の背景によって色んな角度の観方が出来る作品です。
ゆうたろう(俳優,モデル)
わたしたちはなぜ、誰かと何かを分かち合い、ともに生きることを求めるのか。 日本の都市に暮らすひとりのゲイの現実を掬うこの映画は、多くの者が抱く切なる願いと共振する
木津毅(ライター)
この胸に生まれた愛と存在。「なかったことにはさせない」と、すがりつくことでエゴを祈りへと変えていく。愛から愛情へ。その狭間を満たすものを見せてもらった。
奥山淳志(写真家)
愛した男との甘ったるい性交の匂い、幸せな日常の歯応え、共に夢想した未来の舌触り、本作はそれら全てを食しても満たされない男の空腹を描くクィア・フード・フィルムだ。
久保豊(映画研究者)
宮沢氷魚という被写体は、いつも限りなく透明に近いグラスのようで。 そこにいつも違うものが入り、色気や美しさが増していく。 作品の中の龍太にも同じように空っぽだったグラスの中に愛が注がれていく。 宮沢氷魚の美しさは光に透ける薄氷のようだ。
鈴木親(写真家)
なぜか観なきゃいけない気がしていました。 同性愛を理解するということのずっと先にある美しい愛の物語でした。人生を大切に生きないといけないと感じました。
西村宏堂(アーティスト/僧侶)
大人の男性にこそ観てほしい映画。 どこかしら自分に関係のある物語だと思うし、 「家族とはなんだろう」と考えさせられます。
鈴木おさむ(放送作家)
愛には一つとして同じ形はない。 彼が体感した愛を今この目で体験するかのようだ。
相川七瀬(アーティスト)
後世に語り継がれるであろう傑作映画を観た。 この作品の素晴らしい部分を挙げるときりが無いが、主演の鈴木亮平氏の演技は完璧だった。 命をかけて演じているのが分かる。 現在、ここまでナチュラルにゲイを演じられる俳優を僕は他に知らない。 是非、皆様も劇場でその匠を見て頂きたい。
下村一喜(写真家)
生きることの重さ、その重さをきちんと背負っているからこそ見いだせるささやかな喜び。 登場する人々の心の中で背中合わせにあるものが、繊細に繊細に描かれていた。 とても静かに、大きなものを突きつけられた気がする。 まだ映画の余韻が消えない。
草刈民代(女優)
※敬称略/順不同